タスマニアで稼げる仕事といえば、チェリー。
”タスマニアンドリーム”と名が付くほど有名です。
が、断言します。
タスマニアで一番稼げるのは、チェリーではなくサーモン!
たしかにチェリーの仕事は稼げます。
しかしその反面、ウェイティング期間が長くシーズンが短いということもあり、実際はあまり貯金できません。
安定して長く楽に稼げるのはサーモンファクトリー。
漁業なのでセカンドビザも申請できるよ!
とにかくチェリーは稼げる!という情報だけ信じてタスマニアへ行く人も少なくないので、今回はあえてデメリットをあげてみました。
チェリーファームの落とし穴
ウェイティング期間が長い
例年チェリーピッキングのシーズンは12月下旬〜1月下旬ですが、多くのバックパッカーは11月下旬までにタスマニア入りします。チェリーは非常に競争率が高く、基本的には早くアプライした人から順に仕事が与えられるからです。
1月に来て即日働かせてもらえたというラッキーな日本人もいたけど、
これはかなり稀なケースだと思う。
年によってはチェリーの実がなるのが遅く、1月からピッキング開始することも。
つまり、11月からタスマニア入りしたら2ヶ月も待つことになります。
いくら稼げるといえど、たった3週間のために数週間〜数ヶ月も待てばお金は減っていき本末転倒です。
ウェイティング期間に近くのストロベリーファームで働く人もいますが、しんどいわりに稼げません。
収穫時期が短い
チェリーが収穫できるのは3〜4週間。
昨年度(2016〜2017年)は不作のため3週間もせずピッキング終了。
初心者ピッカーは慣れるまでに約2週間かかると言われているので、慣れてきた頃に終わってしまうのです。
もし引き続きタスマニアに滞在するのであれば、また新しい仕事を探さなければなりません。
同時期にブルーベリーもシーズンですが、チェリーの次に稼げるため競争率が高く、仕事をゲットするのは困難。アップルピッキングが始まるのは3月からだし、ストロベリーのシーズンは終わりをむかえる頃。すぐ仕事が見つからなければ、せっかくチェリーで稼いだお金がなくなってしまいます。
稼げる人はほんのひと握り
実際にチェリーファームで働いている人たちに話を聞いたところ、「初心者でもそこそこ稼げるが、期待していたほどではない」とのこと。
チェリーピッキングは歩合制。
1ヶ月で100万円近く稼げるのはトップピッカーだけです。
こういった理由から
- チェリーピッキング経験者
- 翌年も働ける人
- 他に仕事のあてがある人
以外にはあまりおすすめできません。
サーモンファクトリーの仕事
タスマニアにはいくつかサーモンファクトリーがありますが、紹介するのは“Tassal”というタスマニア南部にあるファクトリー。
Huonville、Dover、Margateという3つの町に工場があって、わたしはHuonvilleで働いていました。
ホバートから車で40分くらいのところにある、チェリーファームがあることでも有名な町です。
Tassalの仕事内容
バックパッカーが配属されるのは、パッキングの仕事。
工場内にはいくつかの機械があって、サーモン1匹分をパッキングするときもあれば、200グラムだけパッキングするときもあり、業務は日によって様々。
毎日2つのチームに分けられ、更にその中でポジション分けされます。
サーモンの重さを測る人、パッキングの機械に並べる人、ラベルを貼る人など。このポジションについてはスーパーバイザーが毎回ロスター(勤務表)を作り、休憩ごとに変わるので、毎回同じところで働くということはありません。
最初の頃はサーモンを綺麗にパッキングするのが難しくて、周りのスピードについて行くのが大変でしたが、数週間で慣れます。
勤務形態
わたしが働いていたHuonvilleの工場では、3つのシフトに分かれていました。
- モーニングシフト(6:00〜14:30)
- アフタヌーンシフト(15:00〜23:30)
- ナイトシフト
※おそらくナイトシフトはクリーナーのみ
※勤務地とシフトは選べません
どのシフトも基本的に1日8時間、月曜〜金曜日の週5勤務、土日・祝日は休み。
休憩は、15分×2回と30分×1回。
また、1時間ごとにエクササイズの時間があり、5分程度みんなで体を動かします。
工場内は16度に保たれていてパッキング中は同じ姿勢で立ちっぱなしなので、このエクササイズの時間は本当にありがたかったです。
わたしはアフタヌーンシフトで働けてラッキーでした。
朝ゆっくり起きて、仕事までは勉強したり買い物へ行ったり、日の出ている時間を有効活用。
夜も0時には帰宅できるから昼夜逆転の生活にもなりません。
更に、体力のある人だったら午前中は違う仕事をかけ持ちすることも可能です!
完全英語環境
働いているのは半分以上オージー、3割が永住権所持者、バックパッカーは1割程度。
当時アフタヌーンシフトに日本人は1人だけ。
バックパッカーは韓国人8人、台湾人5人、中国人1人、フランス人2人。
他にもタイ人、スリランカ人などアジア人は何人か働いていますが、ほとんどが永住権を持った人たち。
つまり、半分以上がネイティブで、みんな英語を上手に話す人ばかりでした。
必要な英語力
簡単なコミュニケーションがとれる程度の英語力があれば、働けます。
基本的にみんな優しく、指示が理解できなかった時もゆっくり簡単な英語で説明してくれました。
ただ、アプライをしたあとに面接を受けなくてはならないのと、働きはじめて5週間後にテストを受ける必要があります。このテストに合格できなくてクビになった人がいるという話も聞きました。教えてもらったことをきちんと理解できるだけの英語力は必要かもしれません。
Tassalの給料について
シフトによって違う給料
モーニングシフトよりもアフタヌーンシフト、アフタヌーンシフトよりもナイトシフトのほうが時給が高いです。残念ながらアフタヌーンシフト以外のお給料についてはわかりません。
アフタヌーンシフトの時給は27.48ドル。(2017年3月時点)
1日8時間×5日の勤務なので、週1,100ドル稼げます。
こちらが1週間分の給与明細。
たまに希望者だけ土日出勤できることがありました。
怠け者のわたしは土日出勤しなかったので正確な時給はわかりかねますが、時給35〜40ドルと聞いた気がします。
安定して楽に稼げる
アフタヌーンシフトで働けば週1,000ドルほど稼げますが、数字だけ見るとそこまで大きな金額じゃないと思う人もいるかもしれません。それでもわたしが”チェリーより楽に安定して稼げる”と言ったのには、理由があります。
ときどき「週1,000ドル以上稼げます!」なんて求人を見かけますが、この”週いくら”というところに惑わされないでください。
週5で働いて1,000ドルなのか、週7で1,000ドルなのか。1日8時間働くのか、12時間働くのか。
いくら週1,000ドル稼げる仕事といっても、仮に1日10時間×7日働くのだとしたら、時給にして14ドル前後。
歩合制のストロベリーファーム(単価が安い)なんかだと、どんなに働いても難しいですよね。
ファクトリーの仕事は初心者だろうと時給22ドル以上はもらえます!
シーズンも長いし、天候に関係なく働けます。
そういった意味で、同じ”週1,000ドル稼ぐ”にしてもファクトリーのほうが楽に稼ぎやすいです。
アプライ方法
このTassal、タスマニアで稼げる仕事として知られているわりに日本語での情報が少なかったので、アプライから採用までの流れを別記事にまとめました。
情報共有には賛否あるかもですが、限られたバックパッカー枠で台湾人や韓国人ばかり働いて、日本人が悪徳ファームに行くはめになるよりはずっと良いと思い公開しました。
タスマニアは自然豊かですごく綺麗なところなので、ぜひ行ってみてほしいです!
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