夏のタスマニアでは、ファームで働く人がテントで生活するのは珍しくありません。
”タスマニアンドリーム”で有名なチェリーファームがあり、シーズンである12月〜1月は働きにきたバックパッカーであふれ返るため、アコモデーションが満室になってしまうからです。
わたしも住むところが見つからなくて、1ヶ月ほどテントで生活していました。

キャンプ経験のない自分にとってはそれはもう大変でしたが、振り返ってみると貴重な体験だったなぁと思います。
- タスマニアのファームに行く人
- 住むところが見つからない人
- テント生活に興味がある人
の参考になれば幸いです。
キャラバンパーク情報
タスマニア州都・ホバートよりも更に南の町、シグネット。
小さい町ですが、スーパー(IGA)、薬局、図書館、ガソリンスタンドなどあるので生活には困りません。
チェリーだけでなく、ストロベリーファームも近くにあります。
その町にあるCygnet Caravan Parkに滞在していました。
料金:1日10ドル、1週間60ドル(テントの場合)
シャワー:1ドルで4分利用可
Wi-Fi:なし
住所:Mary St, Cygnet, Tasmania 7112
※2017年1月時点
わたしがシグネットに移動したのは1月下旬だったので、すでにたくさんの人が暮らしており、当然キャラバン(キャンピングカーの中で宿泊)は満室。テントを張るスペースを見つけるのさえ難しい状態でした。
車で寝泊りしている人も多かったけれど、車を持っていなかったのでテント一択。
キャラバンパーク内には、シャワー、キッチン、洗濯機と、生活最低限の設備は整っています。
シャワー
シャワーは有料で、1ドルで4分間お湯が出るようになっています。
1ドルコインがないと、毎回キャラバンパークのオーナーに両替してもらわないとなので面倒。
日中の暖かいうちに水シャワーで済ませることもありました。
女性のシャワーは2つだけでしたが、みんな4分で済ませるから人数のわりに混まなかったです。
キッチン


photo by: http://business.google.com/website/cygnet-caravan-park
キッチンにはコンロと冷蔵庫が7〜8個、電子レンジ、ケトル、洗い場が2つ。テーブルがキッチン内と外にいくつか。
毎朝管理人さんが清掃してくれるので、意外と綺麗に保たれています。
オフシーズンなら十分快適に使えると思いますが、ハイシーズンは冷蔵庫がいっぱいになり、自分の調理器具や調味料を置いておくスペースはほぼありません。
キッチン内には無料で使えるコンセントがあるため、みんなここでスマホの充電をします。
置いてあるスマホの数が尋常じゃない!笑
置きっ放しにしている人もたくさんいましたが、盗まれた話は聞いたことがないので治安は悪くないと思います。
食料はその辺に置いておくとなくなります。
洗濯機・乾燥機
洗濯機と乾燥機はそれぞれ1回4ドル。
物干し竿は一つしかないため、みんなロープを木やポールに繋げて洗濯物を干しています。
わたしは節約のため、天気のいい日は手洗いしていたのですが、これがものすごく大変!
洗濯機がなかった時代は毎日こんな思いして洗ってたのか…自分が日頃どれだけ恵まれた環境にいるのか実感しました。
テント生活
2人用の小さいテントをKマートで15ドルくらいで購入。
2人用とうたっていますが実際は1人で寝てちょうどいいサイズです。
2人で使うのであれば3人用以上の大きさを買うのがおすすめ。
昼間は暑くて夜は寒いタスマニア
夏のタスマニアの気温は、昼間でも23度前後。
日本でいう北海道のようなところなので、オーストラリア本土よりも涼しくて過ごしやすいのですが…
夜がめちゃくちゃ寒い!!!
真夏なのに、夜になるとダウンが必要なくらい寒い!本当に!
一番冷え込む深夜から明け方にかけては、気温が10度以下になる日も。白い息出ます。
わたしはヒートテック、ウルトラライトダウン、コート、着れるものは全て着て、ズボンも2枚はいて、ブランケット2枚かけて寝ていたけどそれでも寒かった!あまりの寒さと強風で、朝まで熟睡できた日はありません…
15ドルの薄いテントで夜過ごすのは本当に辛いです。
車の中ならそこまで寒くはないので、車を持っているのであれば車中泊をおすすめします!
世界一空気が綺麗なタスマニアの星空
テント生活は悪いことだけではありません。夜中に見える満天の星空は最高です!
タスマニアは”世界で最も空気が澄んでいる場所”と言われていて、星空がとっても綺麗!
あたりは真っ暗で遮るものもないから、プラネタリウムのように天の川まではっきりと星が見えるんです。
そんな空いっぱいに広がる星を毎日見られるなんて贅沢ですよね。
今しかできないテント生活の醍醐味か〜と思いながら、寝そべって眺めていました。
寒い夜も、原始的な生活も、悪くないなと思えた瞬間です。
”普通の生活”に感謝できるようになった
約1ヶ月のテント生活を経て、ようやくシェアハウスに移ることができました。
暖炉のある部屋、暖かいシャワー、火が使えるキッチン。洗濯機もWi-Fiもある。
当たり前にあると思っていたものは当たり前じゃない。ちょっとしたことでも幸せを感じます。
電気が使える幸せ。外に出なくてもトイレに行ける幸せ。布団の上で腰が痛くならずに眠れる幸せ。
雨が降っても濡れない幸せ。最高です。全ての生活環境に感謝できる。
今までだって自分は不自由ない生活をしてるってわかってはいたけど、実際にそれらがない環境で生活して初めて、心の底から感謝できました。今となっては、不便さを体験したテント生活は、意味のある時間だったんだなと思えます。
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