オーストラリアでワーホリしている人の中で「週1500ドル以上稼いだ!」「数ヶ月で数百万円貯めた!」という記事をときどき見かけます。
とても興味を引くタイトルですが、内容を見てみるとそれはタックス差引前の金額だったり、週7の勤務だったり複数の仕事をかけ持ちしていたり。たしかにすごいのだけれど、時給に換算すると意外と高くないケースが多い気がします。
今回わたしが紹介するのは、かけ持ちなし、週6日勤務+2日休み、週2000ドルの仕事です。
コットンの仕事について日本語の情報がなかったので、細かくまとめてみました。長いけどお役に立てれば幸いです!
コットンファクトリーの仕事
コットンと聞いても、どんな仕事をするのかいまいちピンとこないかもしれません。
オーストラリアで稼げる仕事といえばマイニング(鉱業)やグレイン(穀物)が有名ですが、
実はコットンも同じくらい稼げる仕事で、オージーが出稼ぎに行くほど人気なんです!
コットンファームやファクトリーはたくさんありますが、場所によって仕事内容や給料は違います。
今回記事にする内容は、わたしが働いたファクトリーの話になりますので、参考程度にご覧ください。
仕事内容
コットンというとふわふわした軽くて柔らかいものをイメージするかと思いますが、
工場では写真のような1トンほどの大きなコットンをたくさん扱います。
これを一度崩して、ゴミや葉っぱなど汚い部分を取り除き、パッキングし、運ぶという流れの仕事。
仕事内容はポジションによって様々。
基本的に女性はパッキング、男性はコットンを崩すポジションに配属されます。
その他、コットンを運ぶフォークリフトや、クリーナーなどの仕事があります。
わたしはパッキングを担当。
このマシーンにコットンの塊が流れてきて、それを袋に被せ、ピストルのようなもので留める作業です。
3人1組でひたすらこの作業を繰り返し、1日1,000個を目標にパッキングします。
立ちっぱなしの単純作業、止まらない機械、腱鞘炎…しんどかった…
パッキングされたコットンは、こんな風に積み上げられます。
どの業務も簡単ですが、特に楽なポジションはフォークリフト。操縦経験のある人にはおすすめ。
オーストラリアの資格がなくてもファクトリー敷地内では運転させてもらえるそうで、母国でフォークリフトの仕事経験があった同僚がアサインされていました。しかも、会社から援助を受けて、働きながらオーストラリアの資格を取得していました。羨ましい。
コットンのシーズン
わたしが働いた2017年は、3月下旬〜7月中旬の3ヶ月半でした。
コットンのシーズンは毎年変わり、長いときは5ヶ月、短いときは3ヶ月ほど。
勤務形態
なんと1日の勤務は12時間!
工場は24時間稼働で、デイシフト(7:00〜19:00)とナイトシフト(19:00〜7:00)に分かれています。
どちらのシフトになるかはボスが決めるので選べませんでした。
- シフト制
- 6日勤務して2日休み
- 15分休憩×2回、30分休憩×1回
カップルや友達同士で休日を一緒に過ごせるようにシフトを組んでくれました。
給料
オーストラリアでは、1日8時間以上働くとそれ以降はダブルペイ(倍の給料)になり、日曜は丸1日ダブルペイ、祝日はトリプルペイ(3倍の給料)になります。そのため、1日12時間かつ土日も勤務できるこの仕事では、日給350ドル〜450ドル稼ぐことが可能です。
ちょっと複雑ですが、詳細を記載します。
シフトで異なる給料
デイシフトかナイトシフトか、どのポジションで働くか、勤務する曜日によって時給が違います。
私がやっていたパッキングの給料は下記です。
デイシフト:23.20ドル
ナイトシフト: 26.68ドル
そして8時間以降および土日祝日は、デイシフトもナイトシフトも同じ給料です。
8時間以降:27.84ドル
10時間以降:37.12ドル
土曜日:27.84ドル(8時間以降は37.12ドル)
日曜日:37.12ドル
祝日:45.26ドル
ポジションによってはもっと高いです。男性がやれるポジションだと、時給2ドルくらい高かったと記憶しています。
わたしはナイトシフトで働いていましたが、
給料はあまり変わらないので生活リズム保てるデイシフトのほうがおすすめ。
給与明細
給料日は毎週火曜日と決まっており、5日分の給料をもらう週と6日分の給料をもらう週があります。
ローテーションで働く曜日が毎週ずれるからです。
実際の給料明細がこちら。
これは火曜日〜土曜日の5日分の給料です。タックス差引前が1874ドル、手取りが1533ドル。
次に、火曜日〜日曜日まで働いた6日分の給料。
タックス差引前が2208ドル、手取りが1817ドル。
土日に加えて祝日も働いた場合、手取りで2000ドル超えます。
わたしは一番給料が低いパッキング担当でしたが、別のポジションだとほぼ毎回2000ドル稼げていました。
3ヶ月で稼いだ金額
週ごとに給料の金額に差はあるものの、平均で月7000ドル稼いでいました。
3月下旬→1日おきに5〜10時間勤務
4月中旬→デイシフトとナイトシフトに分かれてフルタイム勤務開始
※イースター期間は人件費が高すぎるため休み
3ヶ月半の給与総額は、約25000ドル。
日本円で約200万円稼げました!
生活環境
ファクトリーの場所
コットンファクトリーの会社は、Ashly、Moomin、Hillston、Boggabriなどニューサウスウェルズ州を中心に、クイーンズランド州と合わせて10箇所くらい工場があります。
どの工場も内陸にあるため車は必須。
わたしの勤務地はMungindi(マンギンダイ)というクイーンズランドとニューサウスウェールスの州境にある小さな町。ブリスベンから車で6〜7時間のところです。
オーストラリアをラウンドしたことがある人ならわかると思うのですが、たまに5秒くらいで通り過ぎてしまうような小さな町ってありますよね。町というか、村というか、家が数件あるだけみたいな。そんな感じです。
ここが町のメインロード。
この通りにスーパー、郵便局、薬局など生活に必要な最低限のものはあります。
カフェやレストランも数件だけあります。こんな小さな町なのに病院があったのはとても助かりました。
ただし、Colesなどの大型スーパーはもちろん、小さな町にでもあると思っていたIGAさえありません。
SPARという小さなスーパーだけありました。
Moreeという隣町まで行けばColes、Woolworth、Target、マクドナルドなどあります。
隣町と言っても片道120キロ離れていますが…笑
わたしは月2回ほど、往復3時間かけて買い物に行っていました。
1ヶ月分を買い溜めしたり、近所のSparだけで済ませている同僚もいましたが、休日が退屈すぎて出かけずにはいられなかったです…。
ちなみに、町にはTelstra以外シグナルがありません。(2017年7月時点)
そして家にも職場にもWi-Fiはありません。
その環境に耐えられない人、自炊できない人、長距離運転が苦手な人には過酷かも。
アコモデーション
住むところは会社が用意してくれたので、探す必要はありませんでした。
というか田舎すぎてバッパーなどなかったです。
- 町にある一軒家のシェアハウス
- 工場の敷地内にある仮設住宅
- キャラバン
上記3つのアコモデーションが用意されていて、オージーは自分のキャラバンで寝泊まりし、バックパッカーはシェアハウスか仮設住宅に住んでいました。
ここには共用のシャワー、トイレ、キッチン、洗濯機があり、仮設住宅の中にはそれぞれ小さな冷蔵庫も置かれていました。ベッドとテーブルがあるだけの狭い部屋だけど綺麗です!
わたしはシェアハウスに同僚と6人で住んでいました。
シーズンが短い年は全員が仮設住宅に住んだり、毎年アコモデーションは変わるみたい。
シェアハウスにもマットレスやテーブル、電子レンジなど必要なものは揃っています。
しばらく誰も住んでいなかったからか、ネズミやゴキブリいたり汚かったけれど…家賃週60ドルで広い家に住ませてもらえただけありがたかったなあと思います。
国籍割合
ボスが働き者のアジア人が好きで、積極的にアジア人のバックパッカーを採用していました。
オージーとバックパッカーの比率は半々。
当時のバックパッカー割合は、日本人1人、韓国人8人、台湾人4人、香港人1人、ベトナム人1人、フランス人2人。割合は毎年変わるものの、多いのは韓国人と台湾人で、今までここで働いた日本人は1人だけだそうです。英語上達には最高の環境ですね。
とはいえ、ネットがあまり使えず、他のみんなは母国語で話していて自分だけ日本語が話せないという状況は結構辛かったです…
アプライ方法
オンラインでアプライ
コットンのシーズンは例年3月下旬からスタートします。
わたしの場合、1月下旬にアプライして採用の連絡がきたのは2月中旬。早い人は1月に決まっていました。なので、アプリケーションフォームがオープンしたらすぐにアプライすることをおすすめします。
必要な英語力
工場によって基準が違うようで、とある工場ではインダクションのとき英語でスムーズにやりとりできなかった人がクビになったと聞きました。わたしが働いていたところでは、自分含めあまり英語が話せない人もいましたが問題なかったです。
働き始めるまでのやりとりは基本的に電話になるため、そこさえクリアできれば大丈夫です!
仕事を探しているワーホリの方へ
正直、オンラインでアプライして採用されるのはごくわずかかもしれません。
前年に働いた経験者がセカンドワーホリビザを取って戻ってきたり、直接ボスに友達を紹介したりするからです。
それでもこうして記事にしたのは、こういう好条件の仕事もある、誰にでも働けるチャンスはあるということを伝えたかったから。
日本人は良くも悪くも謙虚なので、給料が安くても周りの環境が良かったりセカンドビザが取れさえすればいいという考えの人が多い気がします。自分もそうでした。
老婆心ながら、給料が良くてビザも取れて簡単な仕事なんて探せばいくらでもあることを知っていただき、悪徳ファームへ行く人が減ってほしいと願いを込めて。
コットンの仕事はこのファクトリー以外にも結構あるみたいなので、
興味ある方はぜひ英語で検索してみてください〜!
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